ある男性から頂いたお電話。
「初めてお電話をするのですが、アチュウさんにご相談が…」
10年以上も花屋として働いていると、お声の雰囲気から何となくこの「ご相談」の内容が想像出来たりもします。
ご予約を頂きご来店を下さった男性は、お電話の時の印象と同じくとても優しそうな、とてもきちんとした男性でした。
「実は彼女にプロポーズをしたいと思っていまして…」(うんうんそんな気がしていたよ…私の心の声。笑)
「僕の彼女はアチュウさんのお花がとても好きで、以前貰った事のあるプリザーブドアレンジを大切にしていて…だから、サプライズでプリザーブドアレンジを贈りたいんです。」と。(この時点で鳥肌が立っています、私。笑)
「彼女って誰ですか?」(お名前をお聞きしてまたまた鳥肌。笑。だって、だって...彼女よりも先に彼女がプロポーズされるのを知ってしまったんだから、私。)
彼は彼女にバレないようにドキドキしながら普段の会話の中でアチュウのブログを見てどんなお花が好きかを聞き出して下さっていました。
それは、きっと「彼女のイメージでお任せ…」というご注文だったとしたら私が選ばないであろうお花ばかりだったので彼の頑張りには本当に感謝でした。
その中でもとても印象的だったお花が、カラフルなジニアのブーケでした。
そのお花は生花だったのですが、この雰囲気をプリザーブドでお作り出来たら素敵だなぁと直感で思いました。
それは、私にとって初めてのチャレンジだったけれど、一生に一度の大切なサプライズはせっかくだったら彼女の想像を超えるものに…という私のこだわりでもありました。
ジニアのプリザーブドは私の知る限りでは流通していないので、使用した花材は咲き方が似ていてカラフルなお色が揃うダリアをメインにお作りさせて頂きました。
大きなパニエの中は、幸せで溢れるお花畑みたいだなぁ…なんて思いながらの制作は私の心の中も幸福で満たされていました。
お受け取りにご来店下さった彼はとても喜んで下さり、内容はお任せ下さっていたので
「このお花はなにですか?」のご質問に「ダリアです。」とお答えすると、
「プロポーズの日には(たくさんのダリアが咲き誇る農園に)ダリアを見に行く予定なんです。」とお聞きして、またまた鳥肌な私でした。笑
あとは、ただただ成功を祈るのみ。
「サプライズが成功しますように…」と心からお祈りしながらお見送りを致しました。
後日、彼からご報告を頂きました。
彼女から「Yes」をもらえたこと。
そして、夜のディナーに選ばれたレストランにもダリアのお花が飾ってあったということ。(そうそう、鳥肌です。笑)
この偶然に彼もとても驚いていらっしゃいましたが、きっとダリアはおふたりにとって忘れられないお花になったことでしょう。
家族になって、何年経っても、この季節のこの日の思い出があるって何だかいいですよね。
彼から頂いたお写真。
プロポーズの場所は素敵なチャペル。
感動的なプロポーズだったに違いないと思いました。
(はい、鳥肌ですとも。笑)
このご依頼を頂いてからご報告を頂くまで、彼と同じようにドキドキだったけれど、可愛らしい彼女のことを思い浮かべながらワクワクな幸せなお時間を過ごさせて頂きました。
これから色々な準備が始まりますね。
お二人で楽しみながら進めて下さいね。
お幸せに♥︎
最後までおつきあい下さってありがとうございました。